百合文芸誌『水天 vol.5』in文学フリマ(A-19)

 世界で唯一?の百合文芸誌こと『水天』vol.5、次の文学フリマ東京で頒布いたします。

 
 世界が観光地化していき、FF15ゼルダの伝説BotWなどオープンワールドゲームがヒットする昨今、文学は今一度“旅”について考えるべきなのではないか。ということで特集は「巡礼・パンデミック(感染)・百合」です。パンデミックはどこから来たのか。
 
 今回も全編百合で文学ですが、マンガも1本掲載しております。そして全132ページで300円という大特価。買うしかない。
 
 以下が簡単な内容紹介になります。

< novel >
大沢雪乃「ピルグリム・シスターズ」
 目に映るものがすべてモノに見える病が蔓延している世界。そこに訪れれば病が治るという聖地を目指して、姉妹は列車で旅をする。「明日もまたひととして生きられるように。そして夢のなかで血を流さなくても済むように」SM〇Pに奉げる物語。
 
三木徹「不滅の檻」
 母さんが彼女を連れてきてそれが私の担任だったりとかなんかいろいろ噂のあるきれいな女の先輩にナンパされたりとかその人がめっちゃふくらはぎ綺麗とかそういうことは全部おまけで私が何に疲れさせられて惨めな気分になるのかってことなんだけどそういうのって全然なくならなくてうんざりする、なくなればいいのにね。とりあえずきちんと宿題やって服買って帰って三人で慣れないご飯食べて、そうしていくうちに私の中で有川先生を有川さんとか英奈さんとか呼べるようになれたらいいなと思うんだけど。
 
トリガーハッピー「阿修羅様がみてる」
 入社した初日に役員と二人きりの会議室でレイプまがいのセクハラを受けそうになった百合子は手元にあったパイプ椅子で役員をぼこぼこにしてしまう。百合子は正当防衛を主張するも聞き入れられず配属初日にしてレズしかいないと噂の追い出し部屋に左遷されてしまうのであった。女性しかいない部署、よくわからない仕事、先輩との距離感、戸惑うことばかりの環境で疲弊した百合子にやさしい先輩の魔の手が伸びる。「コミュニケーションも仕事の一環だから」「存じております」ディルドを構える先輩の頭に釘バットを振り下ろす百合子、鬱病になると言動と行動が一致しなくなるのだ。
 
江藤竜「楽園にはまだ遠く」
 少女は神を信じていなかった。少女は神を愛していた。
 少女は現実に妥協していた。少女はそれでも理想を追い求めた。
 姉が巡礼者になった日、妹は葛藤する。
 伝えられなかった言葉を胸に、妹は姉と向き合うことを決意した――。
 
樹「ベリファイ」
 三日前、父が死んだ。「帰って来て欲しい」と母の電話を受け、半日かけて地元に辿り着いたとき、父はもうすでに棺桶に入っていた。亡くなった父の部屋で、「僕」は自分の名前と生年月日の書かれた三枚のディスクを見つけるのだが――。
 
まいおし「天使の羽根」
 宮里透子の秘密を知ってしまって以来、わたしは彼女にどんな顔をすればいいのかまるで分からないでいた。けれどもある日、満員電車の中で目が合ってしまったことで、彼女の何もかもを見透かしているようなその瞳を意識せずにはいられなくなってしまう。
 名前と目とそれから満員電車を扱った、思春期の女の子の話です。
 
< comic >
宇加江正吾「そういえば今日から化け物になった」
 「この山の頂上に鬼が出るという噂を聞いた」「私はすぐさま山へと向かった」「その鬼が、彼女のことかもしれないと思ったからだ――」10年前に姿を消した鬼との再会、最愛、無理解?の物語。

 
 素敵な表紙イラストは電気ウサギさま(@denkiusagi)、表紙デザインは樹さま(@itsuki_48)にお願いしました。
 
 5月7日(日)、東京流通センター第二展示場・サークルスペースA-19でお待ちしております。