京都行

古野まほろ『天帝のあまかける墓姫』幻冬舎
古野まほろ『天帝のみぎわなる鳳翔』講談社ノベルス
●森川智喜『キャットフード』講談社文庫
 京都にGespenstがでる、その名前を名探偵という。
 実際どこをたずねてもここミステリで読んだところだ、となったのはその道を選択的に歩いていたせいかもしれないけど、祓うのもおそれおおい数多の探偵のおかげで飽かされずに過ごせた。
 流水の描いた大階段から、清水寺にはじまるいーちゃんのデートコース、御手洗潔が珍しくも疲弊し横たわった仮寝床に龍樹家因縁の鴨川デルタまで、そして石庭に憑いたボルヘスだっけ?
 みたされたのがトラベルミステリじみた邪な関心だったというのはささやかな矛盾だとおもう。