2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

サイードとか

●エドワード・W・サイード『知識人とは何か』大橋洋一訳、平凡社ライブラリー ここで言われる「知識人」はいわゆる「大衆」批判を行うような立場とは少し違う。彼ら・彼女らが問題にするのはむしろ「専門家」の方だとサイードは言う。「なぜなら、この種の…

『君が僕を』読了

●ムージル『愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑』古井由吉訳、岩波文庫 古井は訳者からの言葉として「愛の完成」を「姦通小説であった」と端的に述べる。そして出来事としては単純極まりない、言ってみれば些細なことしか起こらないのにも関わらず、「愛の完…

舞城王太郎とルター

●舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』上・中・下、新潮文庫 アメリカからやって来たハードボイルドな探偵(『煙か土か食い物』)、桜月淡雪(『阿修羅ガール』)、九十九十九や猫猫にゃんにゃんにゃん(『九十九十九』)、ルンババ12と「世界は密室でできて…

●ヒューム『人性論』中公クラシックス

院試が終わったので

色々読む時間ができた。 とりあえず最近読んだものについて、一冊ずつコメントをメモしておこうと思う。どうせすぐ飽きるだろうけど続くかぎり。 ● 佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』河出書房新社 一番リーダビリティがあったのが、文学論である切手本なの…