院試が終わったので

 色々読む時間ができた。
 とりあえず最近読んだものについて、一冊ずつコメントをメモしておこうと思う。どうせすぐ飽きるだろうけど続くかぎり。
 ● 佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』河出書房新社
 一番リーダビリティがあったのが、文学論である切手本なのはどうなんだろう。罵詈雑言の多さが半端じゃない。これで憂さ晴らしをする人々がたくさんいるわけですよね…。まあどうでもいいんだけれど。
 ● 『中野重治詩集』現代詩文庫
 昔から詩を読むのは苦手なのに中野重治だけはいけるんです。わりに物語性があるからかな。ほとんどショートショートの世界だとすら思う。
 ● 『田村隆一詩集』現代詩文庫
 田村隆一も一度形式を意識して読み始めると面白いものだった。しかし、解説を読む限り、形式を押し出すようになった後期には特に毀誉褒貶が激しいらしいですね。
 ● 十文字青『ANGEL+DIVE』一巻、一迅社文庫
 文体がひたすらに平坦で内向の世代のようだと思う。それなのに超常現象が普通に起こるから面白い。十文字青は超常現象が起こらない小説も上手いけど、これはこれとして。
 ● A・アルトー『神の裁きと訣別するため』、河出文庫
 「二つの道が彼に与えられていた、無限の外部への道と、細々とした内部への道である」
 見かけほど単純ではない選択肢として。
 小説はこんなところ。
 マンガだとヤマシタトモコの『BUTTER!!!』二巻がとてもよかったな…。一巻ではやたらと元気だったひとや内向きだったひとが、ふとしたきっかけで別の顔をみせてくれる。
 あとようやく柘さんという、黒髪眼鏡三つ編みおさげ高身長のリーサルウェポンに光が当たったのもよかった。早く続きを読みたい!