西田幾多郎三木清『師弟問答 西田哲学』書肆心水

という感じだけど、まあ歴史観のところなんかは対談だと漠然としていてよくわからないですね
posted at 10:48:32

歴史を目的論的に、連続して動いていくものと考えてはならない。かといってそれは完全に非連続ということでもない。現在の世界は形ある、静的なものだが、これはつねに動き次の世界にかわっていくものだ。このような「非連続の連続」の世界のエレメントとして、私たちは働いている
posted at 10:36:54

私たちの身体はふつう生物学的にのみ考えられているが、それもここから、すなわち歴史的世界のエレメントとして考えられなければならない。身体の機能は社会的に形成される、歴史的なものだ
posted at 10:31:01

しかし表現はたんに主観ではなく、客観でもない。実在界を表現する私たちの意識は世界のエレメントであり、世界が世界自身を表現しているのだといえる。「世界が世界自身を限定してそこにあらわれる」ということ。
posted at 10:25:40

これまで客観的認識という場合、主観としての意識と客観的な物があり、認識とは主観が客観を写すことだと考えられてきた。よって表現は客観的認識とは別物の、主観的なものだとされていた
posted at 10:22:04

私たちが物を作るときには主観から出発するが、その主観は世界から生まれてきたものだ。また、物が生まれるとそれは世界の要素として私たちを動かしていく。すなわち物を作るということは世界が自己自身を形成することで、そうした「表現」的なものとして人間の行動はある
posted at 10:15:30

西田は歴史的世界について、自分自身を形成していく世界であり、表現的な世界だという
posted at 10:11:29

主客未分の状態というのは一種の神秘主義、主観主義であるといって、西田は自分が神秘主義と呼ばれるのを否定する。実在は歴史的な物であり、歴史的な物は主観かつ客観だという
posted at 16:18:28

西田幾多郎は、ハイデガーニーチェニヒリズムの無と東洋の無はことなるという。西洋の無は有から考えられているが、東洋の場合は現在が無であり、日本人は現実そのものが無だと考える
posted at 16:02:45

 
●蘆田裕史「乖離する衣服と身体」『ファッションは語りはじめた』西谷真理子編、フィルムアート社

このように整理される90年代以降のファッション史の見方は日本独自のもので、西洋にも共有されるには再検証が必要だ、というお話だった
posted at 15:52:34

この着ぐるみは私的な領域を確保するためのものであり、ファッションでも90年代半ばからしばしば目指されてきた「部屋としての衣服」だといえる。身体の拡張ではなく、部屋の縮減としての衣服
posted at 15:47:55

衣服はふつうコミュニケーションの手段になるが、岩倉玲音の熊の着ぐるみは「他者とのコミュニケーションを拒絶する態度の表われであり、自分の世界に閉じこもるための個の空間」をつくるディスコミュニケーションのツールである
posted at 15:41:43

精神的な意味での自己の存在がテーマだったエヴァに対して、lainは肉体的な意味での存在をテーマとしていた
posted at 15:39:06

物語的なメディアであったマンガやアニメでは物語消費からデータベース消費への移行が起こったが、もとから物語性がなく、素材やディテールのデータベースから出発したファッションでは、逆に物語性をとりこむ流れが起こった
posted at 15:36:00

(ブランドを論じているところはくわしくないので割愛)とはいえ、このような独特な身体への眼差しは日本のデザイナーにはいくつかみられるという。「身体性の欠如」という特徴はまたコスプレにも現れている
posted at 15:25:52

西洋のファッション観では衣服は身体のうえから重ねられるものであり、それぞれは独立したものであると考えられてきたが、ここでは衣服がそれ自体で身体となっているので、着用者の身体が括弧にくくられることもありえる
posted at 15:19:21

ガンダムの場合は機体が身体の外部にあるが、エヴァではパイロットとの神経接続があり、機体が身体と一体化している。「エヴァンゲリオンという衣服はもはや着用者の身体の拡張なのではなく、それ自体がひとつの身体なのである」
posted at 15:13:27

マクルーハンのメディア観でいえば、衣服は皮膚の機能を拡張したものだから、「第二の皮膚」「第二の身体」としてのメディアであるということになるが、ガンダムの機体も人間の身体機能を拡張する点で「メディアとしての衣服」と呼べる
posted at 15:10:12

蘆田裕史「乖離する衣服と身体」(『ファッションは語りはじめた』)、ファッション批評の予備知識がさっぱりでもおもしろく読めそう
posted at 15:04:55