自由・調和・博愛

石川博品耳刈ネルリと奪われた七人の花婿』ファミ通文庫
石川博品耳刈ネルリと十一人の一年十一組』ファミ通文庫
●吉原幸子『人形遊び』思潮社
柄谷行人[編]『近代日本の批評? 昭和篇[下]』講談社文芸文庫

 耳刈ネルリを一巻しか読まずに今まで生きてきたことを恥じる。今からでも全国数千万のネルリストに加わりたい。
 実際ネルリって作中の設定ではそれほど可愛くはない筈なんだけど、語り手のレイチにとっては可愛くて仕方がないわけで、こっちにもそれが伝染してしまって困る。一番可愛いのはカミレだけどな。
 終わり方も学園生活を踏まえたものとなっていてよかった。段々とキャラクターがはっきりしてきたベイン教国連合の人たちをもっと見たかったし、サンガがショナにどやされる話やミッカが成長する話、カミレが進路を決める話とか少し考えただけでも色々出てくるんだけど、こんなに綺麗に終わってる本編には文句のつけようがない。なので短編集希望。二つ未収録の短編があるらしい。